世界的に広がるベジタリアン食・ビーガン食と 重ね煮の可能性

アメリカではここ数年間で、植物性食品しか摂取しないビーガンの人口が6倍に増えたとする試算があり、ニューヨークやロサンゼルスなどの都市部では多くのレストランで菜食主義者向けメニューが導入されています。ほかの欧米の先進国でも菜食の人口増加が顕著で、菜食料理専門のレストランやスーパーの菜食専用コーナー等を日本では想像できないほど様々な場所で見かけることができます。
ここからは海外でのベジタリアン食、ビーガン食に関する実情をご紹介しながら、重ね煮の可能性についてもご説明いたします。


ビーガン人口500%増のアメリカ特に若年層が増加

特に菜食実践者の人口増加が著しいのが前述のアメリカ合衆国です。ビーガンやベジタリアンは特に若い世代に多く、アメリカでは菜食実践者の約半数が35歳未満です。また、国民の30%が「肉の消費を減らした野菜中心の食生活の方が良い」と考えているというデータもあり、今後も数年間は今の勢いそのままに増加が続いていくことが予測されています。


ドイツでは、全人口の約10%がベジタリアン

ドイツは全人口の約10%がベジタリアンもしくはビーガンで、世界の中でも菜食人口割合がトップレベルの国となっています。首都ベルリンともなると、さらに多い15%前後がベジタリアンもしくはビーガンであると推定されています。
もともと菜食実践者の多かったドイツですが、2008年頃から菜食対応をする飲食店も増え、ベルリンでは新たに60店舗近くのビーガン・ベジタリアン専門レストランがオープンしています。

ベルリンではそのほかにも、公表されているだけで400近い飲食店が菜食メニューを導入していて、「ビーガンが世界一住みやすい街」ランキングでも常にトップに君臨しています。また、ビーガンやベジタリアンのような極端な食生活は実施せずとも、「動物性食品の摂取を減らすことが健康に繋がる」ということが一般常識としてドイツでは浸透しつつあります。2017年の調査では、ドイツ人の44%が肉の摂取を意識的に控えた食生活(Lowmeatdiet)を実践しているという結果が出ていて、2014年の26%から大きく増加しています。